衣浦港3号地廃棄物最終処分場の全景=愛知臨海環境整備センター提供
中日新聞「「提訴の準備不十分」 衣浦港工事賠償請求、敗訴で県検証」より転載
■「提訴の準備不十分」 衣浦港工事賠償請求、敗訴で県検証
中日新聞-2015年8月5日
衣浦港三号地(武豊町)の海底地盤改良工事に契約と異なる材料が使われたとして、県が請負業者に約四十二億円の損害賠償を求め、今年四月に敗訴した問題で、県の検証チームは「提訴の検討、準備に課題があった」との検証結果をまとめた。近く公表する予定。
今回の問題は、地盤改良の材料が本来の砂ではなく、スラグという安価な粒状の鉄くずが使われた上、スラグ除去などの追加工事や訴訟に投じた巨費を回収できなかった。今後の公共事業発注や訴訟対応の教訓にしようと、総務部長を筆頭にチームをつくって経緯を洗い直した。
検証では「工事に瑕疵(かし)、不正があるという前提に立ち、証拠の整理や理論構成に不十分な面があった」と原告である県側の見通しの不十分さを 指摘。今後予想される同様の訴訟には、「事業分野に精通した弁護士による弁護団の編成を検討する」と代理人選びのあり方などを課題に挙げた。
裁判ではスラグ混入の経緯について、県は「今回の工事により混入した」と主張したが、裁判所は「混入経路は不明」と認定。検証では「現場管理は妥 当だったが、スラグ混入を発見できなかった」「何者かが悪意を持って行った行為を監督・検査制度で見抜くことは困難」と県の対応は問題視しなかった。
衣浦港の地盤改良工事は護岸整備に対応するため、軟弱な海底に砂を棒状に埋め込んで強度を高めるのが目的。問題の工区は大林組(東京都)など三社の共同企業体(JV)が二〇〇一年度、県企業庁の臨海工業用地造成のため十九億円で施工した。
スラグ混入の発覚はその後。廃棄物最終処分場の用地に変更するため、企業庁が県環境部に埋め立て権を譲渡し、別のJVが工事した際に分かった。スラグは水分を含むと硬化するため支柱を打ち込む妨げとなり、県は四十一億円かけてスラグを除去した。
県は〇九年、大林組などのJVが故意か過失でスラグを混入させたとして提訴。一三年の一審判決は「故意や過失も認められない」と請求を棄却し、一五年の控訴審判決もこれを支持。県は上告を断念した。
(赤川肇)
海底地盤改良工事に「スラグという安価な粒状の鉄くずが使われた」、、
この記事だけではよくわからないが、故意や過失でなければ、結果的に契約と異なる材料が使われていても不問なの?
そうか、東京都の新海面処分場の場合は、二重鋼管矢板式護岸で遮水護岸を作っているので、、、
ぐるっと延長どれくらいあるのかわからないが、、、環境アセスのときに、その施工費は深いところでは1m4千万円とか、、
23区の焼却灰溶融スラグは「地盤改良材」として埋め立てている。
山間部の処分場も、海面処分場も、、、それぞれいろんなリスクはある、、、
地震や津波などないこととしての安全性なのか、なにかあればすべて海の藻屑となってしまうのか、、
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