■フランス製のEPR型の最新原発に深刻な脆弱性、原子炉格納容器の耐圧性能が仕様条件を大幅に下回る
Business Newsline 2015年7月13日
Areva NP、 Électricité de France (EDF)、Siemensの3社が共同開発を行った第3世代加圧水型原子力発電システム「European Pressurized Reactor (EPR) 」に製造工程に起因する深刻な脆弱性が見つかっていたことが9日、BBCの報道により明らかとなった。
この脆弱性は、スチール製の原子炉格納容器に関わるもので、今のところ、設計上に起因する脆弱性ではなく、製造工程の問題に起因する脆弱性と見られている。
EDF型原発は、現在、イギリスのHinkley Point原子力発電所のC原子炉として建造計画が進められており、この契約に基づき、フランス原子力当局がイギリス政府に報告を行ったことにより、脆弱性の存在が明らかとなったものとなる。
EPR型原発で見つかった脆弱性とは、Arevaが実施したEPR型原発の原子炉格納容器の加圧試験の過程で見つ かったもので、試験の結果、原子炉容器内では、「高い炭素濃縮が発生することで、原発格納容器は当初の設計仕様に応じた剛性が得られない(high carbon concentration, leading to lower than expected mechanical toughness)」ことが判ったというものとなる。
EPR型原発の原発格納容器は、高さが12.7メートル、重量が410トンの大きさのものとなるが、実験の結果、原発格納の実際の耐圧性能は当初の設計仕様を大幅に下回るものとなった模様となる。
EDF型原発は、フランスのFlamanville原子力発電所の3号機として現在、建造が進められており、今回、新たに見つかった不具合を受けて、Flamanville原子力発電所3号機の建設プロジェクトは遅延する見通しが強まってきたこととなる。
Source: BBC