日米合弁企業「アルビータ」が二酸化炭素を使って藻類を実験培養する施設
☆産経ニュース「「夢の燃料」地域の産業創出へ 佐賀市、ごみ、下水を有効利用」より転載
■「夢の燃料」地域の産業創出へ 佐賀市、ごみ、下水を有効利用
産経ニュース-2015/05/08
ごみや下水の処理で出るガス、汚泥を新たな資源として利用する計画を佐賀市が進めている。野菜の生育を促したり、「夢の燃料」として注目される藻類 ミドリムシを培養したりと使途は幅広いという。事業として軌道に乗れば地域の産業創出につながり、「迷惑施設」と煙たがられてきた清掃工場や下水処理場の イメージも変わりそうだ。
◇CO2販売
佐賀市郊外の市清掃工場。平成25年10月、ごみ焼却時の排ガスから二酸化炭素(CO2)を取り出す実験装置を稼働させた。高濃度のCO2を回収でき、葉物を栽培した結果、光合成が促進され生育が良くなった。
担当者は「清掃工場からCO2を直接取り出す試みは世界でも例がない」と胸を張る。市は大型装置でも採算が取れると判断、工場から1日に出るCO2200トンのうち10トン分を回収する装置を約15億円かけて来春までに設置する予定だ。
1日1~2トンは藻類から化粧品などの原料を製造する日米の合弁企業「アルビータ」(佐賀市)の藻類培養施設にパイプラインで送る。会社の担当者による と、量産には高濃度のCO2で光合成させる必要があり、清掃工場のCO2が有効という。残りはハウス農業用として売り出す。CO2販売を自治体が手掛ける のは全国初だ。
工場は全電力をごみの焼却熱で賄っており、余った電力は51小・中学校に供給している。
◇宝の肥料
市下水浄化センターから出るものも使途はいろいろある。従来捨ててきた汚泥は、「味の素」の地元事業所が甘味料を作る過程で出る菌体と混ぜて肥料化。市の委託先が10キロ20円で売り、年間1400トンが完売する。
豊富なアミノ酸、少ないにおいが特徴で、県内外の農家から「宝の肥料」と人気だ。佐賀県多久市でアスパラガスを育てている農家田渕滝一さん(34)は「甘みが増し、苦みが減った。収穫量も増えた」と説明。肥料代も従来の約10分の1に抑えられたという。
下水処理水はリンや窒素など栄養分が豊かで、藻類培養に適している。
市はミドリムシを使った健康食品などを扱うバイオベンチャー企業「ユーグレナ」(東京都)とタッグを組んだ。ユーグレナは、体内に油脂を生み出すミドリムシの性質を生かし、自動車や航空機の燃料開発を目指している。
市は将来の生産拠点誘致をもくろみ、「2020年東京五輪には、佐賀空港から東京にミドリムシ燃料を使った航空機を飛ばすのが夢だ」(秀島敏行市長)と意気込む。
佐賀市清掃工場、
次々と、環境に配慮した取組はいいのだろうが、、、
パフォーマンス先行で、本来の事業目的を損なわないか気になる、、
「夢の燃料」とまでいうと逆にうさんくさい、、、というか、なんだか本末転倒、、
関連(本ブログ)
■佐賀市清掃工場ごみ焼却、冷却水で小水力発電(2015年03月28日)
■二酸化炭素を分離回収し農作物の培養に活用する植物工場=佐賀市 (2014年10月25日)
■ごみ焼却に伴う冷却水で小水力発電 佐賀市、工場用電力の一部に [佐賀県](2014年02月17日)
■ごみ焼却時のCO2回収実験スタート 佐賀市、農業利用など模索 [佐賀県](2013年10月23日)
■排ガスからCO2回収 佐賀市清掃工場(2013年10月03日)
日刊工業新聞-2015/05/07 月島機械は12月から青森市で、下水処理の過程で発生する消化ガスを用いた発電事業を実施する。同社が自己資金で発電設備を建設し、青森市内の下水処理場で出る消化ガスで発電する。投資額は数億円規模。発電した電力は固定価格買い取り制度(FIT) ...