■ ごみ焼却量 上限引き上げ 鎌倉市、収集有料化後に変更
東京新聞 2015年4月9日
鎌倉市は八日の市議会観光厚生常任委員会協議会で、市全体の燃やすごみの量の上限を年間三万トンから同三万三千トンに引き上げたことを明らかにし た。引き上げは二〇一五~一七年度の三年間。市議会ではこの三万トンという数字をめぐり議論が続いてきており、突然の変更に委員らから反発の声が出た。 (草間俊介)
同市は一日から、一般家庭からのごみ収集有料化を始めた。市は有料化の理由の一つとして、二カ所あるごみ焼却場のうち一つが一四年度で使えなくな り、「ごみを減らすため」(松尾崇市長)などと説明。減量の目標を三万トンとしていた。条例で有料化が決まり、実施された途端、前提としてきた数字を変更 した形だ。
市によると、燃やすごみの上限は焼却能力ではなく、焼却場のある地元町内会との協定で決めており、三万トンを定めた協定が期限切れとなったため、 今月一日に地元の合意を得て三万三千トンとする新協定を締結した。市幹部は「ごみを年間三万トン以下に減量する目標をあきらめたわけではない。危機管理と いう視点で引き上げた」と説明した。
市議会の有料化条例の審議では、有料化しても約三万二千トンのごみが出るという予想も出され、「本当に三万トン以下を実現できるのか」などと議論されてきた。
この日も委員から「これまでの議論は何だったのか。市は議会や市民にもっと丁寧に説明してほしい」などと議会軽視の姿勢を改めるよう意見が出た。
危機管理
ごみ減量よりも受け皿づくりへ