中間貯蔵施設予定地に運び込まれ、クレーンで保管場に降ろされた汚染土。周囲の袋は放射線を遮るためのもの=13日午後、福島県大熊町で(荒井六貴撮影)☆東京新聞「汚染土搬入、見切り発車 福島・大熊 中間貯蔵予定地」より転載
■汚染土搬入、見切り発車 福島・大熊 中間貯蔵予定地
東京新聞-2015年3月14日
東京電力福島第一原発事故の除染で出た福島県内の汚染土などの廃棄物を、中間貯蔵施設予定地の保管場に搬入する作業が十三日始まった。環境省は地権者の理 解をほとんど得ないまま、見切り発車した。確保済みの用地はごくわずか。すぐに満杯になり、地権者の不信感が募るだけの結果に終わる可能性もある。 ...
■中間貯蔵用地に搬入開始 大熊、仮置き場の廃棄物
福島民報-2015年3月14日
環境省は13日、東京電力福島第一原発事故に伴う除染廃棄物を保管する中間貯蔵施設(大熊・双葉町)への廃棄物搬入を開始した。初日は大熊町の南平仮置き 場から約12立方メートルを運び込んだ。平成23年8月の政府の設置要請から3年半以上が経過し、本県復興に欠かせない施設がようやく動きだした。一方、 環境省は同日、双葉町の仮置き場からの搬出を25日に始めると正式に発表した。 ...
■<中間貯蔵>除染廃棄物、大熊側から初搬入
河北新報-2015年3月14日
トラックから保管場につり降ろされる除染廃棄物を入れた専用の袋=13日午後3時ごろ、福島県大熊町
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東京電力福島第1原発事故に伴う除染廃棄物を保管する中間貯蔵施設で、政府は13日、福島県大熊町の予定地近くの仮置き場から廃棄物を運び出し、一時保管場に初めて搬入した。
施設は大熊、双葉両町の計16平方キロに建設し、総工費は約1兆1000億円。巨大津波と原発事故の複合災害に見舞われた福島県の復興の鍵を握る。県内約 8万8000カ所に仮置きする廃棄物の処理が期待される一方、2300人以上いる地権者との用地交渉が難航し、本格稼働の見通しは立っていない。
初日は大熊町南平地区の仮置き場から、除染土壌を詰めたフレコンバック(保管用専用袋)12個(約12立方メートル)をトラック2台に積み、町道と国道6号を約15キロ輸送。同町の工業団地内に造成した一時保管場に運び込んだ。
双葉町側への搬入は、町内の調整が付かなかったため、25日に延期された。
環境省は4月末をめどに双葉郡と田村市の計9市町村から各1000立方メートルを先行搬入し、1年かけて計43市町村から輸送する。最初の1年間で搬入す るのは計約4万3000立方メートルで、最大2200万立方メートル(東京ドーム18杯分)と推計される廃棄物総量の1%に満たない。
搬入開始 を受け、大熊町の渡辺利綱町長は「復興につながる一歩だが、地権者を思うと複雑な心境だ。運搬時の安全対策には万全を期してほしい」とコメントした。双葉 町の伊沢史朗町長は「県内の環境改善、双葉郡の復興に向けて前進した」と述べ、搬入延期については「内部の調整に手間取り、時間的に対応できなかった」と 説明した。
施設は廃棄物を最長30年間保管する。国は2011年8月、県に施設の設置を要請。県は14年8月に建設受け入れ方針を決めた。その後、30年以内の県外最終処分の法制化や交付金の予算化、安全協定案の締結などを経て、ことし2月に県が搬入開始を容認した。