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Channel: 東京23区のごみ問題を考える
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23区版 〜事業系古紙の資源化ルート拡充に向けて〜(その2)

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☆古紙再生促進センター「オフィス古紙リサイクルマニュアル」より


事業系ごみは、事業者自らの責任で適正に処理することは当然のことではあるが、しかし、事業者任せにしているだけでは、結果的に、資源になるものも23区の清掃工場に大量に入ってくるという現実もある。各区とも、事業用大規模建築物の所有者には、再利用計画書の提出や、講習受講等を義務づけているようだが、中小規模事業者のごみや資源はどのように処理されているのか実態はわからない。

清掃一組の「ごみ排出源単位等実態調査」事業系ごみのアンケート調査や、事業系可燃ごみの性状調査をみると、かなりの資源物がごみ化していることがわかる。23区清掃工場での搬入物検査でも、事業系持込みごみの中には様々な資源物が確認されている。

事業者のごみは、許可を受けた民間業者に処理を委託(事業系持込みごみ)、または、直接清掃工場へ持ち込むこともできる。また、一度にだすごみが50kg未満であれば、事業系有料ごみ処理券を貼付して、ごみ集積所(区収集の事業系ごみ)に出すこともできる。

廃棄物の処理は、事業者責任とはいえ、それを適正に処理させるために、どこまでの行政関与がいいのかよくわからない。23区では、産業廃棄物はスーパーエコタウンを公的関与で遂行し、他県への廃棄物流出防止に一定の効果を上げている。しかし、事業系の一般廃棄物は、昨年10月から若干値上げされたとはいえ、まだまだ処理原価とは乖離のある、格安の手数料で23区清掃工場で受け入れている。

23区のごみの中間処理は、区内に清掃工場のある区もない区もあるため、清掃一組による共同処理体制である。他都市のように、ごみの減量に励み、ごみ焼却量を減らし、清掃工場の廃止や規模縮小をしようにも、そうそううまくいかない。ごみの減量やリサイクルは、それぞれの区の役割で、その取組もかなりの温度差がある。それでも、各区とも、家庭系のごみに関しては、様々な減量施策を行っている。しかし、ごみの3割以上を占める事業系の持込みごみについては、ほとんど事業者任せで、減量に効果的指導や取組を行っている区は少ない。

事業系の持込みごみの「紙ごみ」を資源化するだけでも、かなりの焼却ごみ削減になるとおもうが、23区がいっせいに事業系ごみの削減に取り組むというのは夢の夢。家庭系の容器包装プラスチック資源化すら、23区共通の約束ごとであれ、各区の足並みはそろわない。故に、大阪市のように、「資源化可能な紙類の」焼却禁止も、その前段階の資源化ルートの充実は厳しい。

23区の足並みを揃える有効な特効薬、起爆剤はないのか、誰か、先導の旗振りをしてくれないかとおもえど、、、、天の声はだれも下してくれない。やはり、事業系ごみに関わるのは、それなりの根拠もいるし、あまりさわりたくない事項でもあるのだ。もはや、他力本願の妄想を抱く方が間違ってはいるので、地道に基本に戻るしかないと反省しつつ、さっそく、江東区内の事業者の業種・規模・事業者数などを調べてみた。長い長い駄文をぐだぐだ書きながら、少し頭の中を整理して、やっと、踏ん切りを付けた〜

23区版 〜事業系古紙の資源化ルート拡充に向けて〜(その2)
《 江東区編 》

23区のごみ処理量(区収集ごみ量+持込ごみ量)、
事業系の継続持込みごみは、持込業者が各区にまたがって収集運搬をしているため、清掃一組の「清掃事業年報」では、23区分として一括で持込量が記されている。持込みごみを、各区分として振り分けているのは、唯一(?)「清掃負担の公平」による各区の負担の調整額算定のもととなるごみ量でお目にかかれる。それにて、清掃一組の「特別区分担金納付額」が決まる。

千代田、中央、港、新宿と、
事業所が多く、住民登録数より、昼間人口の多い地域は、事業系持込みごみが圧倒的に多い。

☆清掃一組「平成26年度予算」の特別区分担金納付額等(平成24年度のごみ量実績)からグラフ作成

23区のごみ、平成24年度は、区収集ごみはなんとか微減を維持しているが、持込みごみは若干の増加である。平成25年度のごみ量、まだ速報値は出ていないが、公表されている、清掃工場の維持管理状況のごみ焼却量を積み上げていくと、24年度と同等の数量である、3月分でどうなっているか。

江東区、23区の中で人口の増加率は大きく、平成20年から24年で、人口は23,564人も増加している。それでも、容器包装プラスチックの分別収集、蛍光灯、小型家電、古着回収、雑がみ回収、生ごみ堆肥事業等など、新たな取り組みを実施し、区収集ごみは減少傾向を維持している。江東区はごみ減量にがんばっているのである!!


☆清掃一組の各年予算、事業年報などからグラフ作成



江東区の事業所数、職種などを調べてみた。
平成21年経済センサス‐基礎調査報告から、少し古いデータではあるが、5年ごとの調査のようでこれが最新版

●23区 総事業所数は553,684事業所


●江東区の民営事業所数は19,945事業所


●江東区内、製造業、卸売業,小売業が多い



●小規模の事業所が圧倒的に多いのだが、100人以上の事業所も481ある。
そのうち延べ床面積3000m2以上に該当する事業所数は?!
−従業員規模は、常用人員、雇用形態(派遣など)などの分類か、総数が合計とあわなかった。−−


さて、これだけの事業所の中で、紙を多く使う事業所、規模等を考慮して、なにをどうすれば、効率よく「資源化可能な紙」をごみとしないで,資源として集められるか、,,それが問題だ!! GPS付けておとり捜査をするのも、不正をただすという意味では大事なことかもしれないが、燃やされている100万トンの紙ごみから、50万トンでも、60万トンでも、資源化可能な紙類を集めるほうが、よほど明るい展望が開ける気がする。江東区内、古紙問屋さんは多いので、先ずは、無料で持ち込める古紙回収協力店制度は重要。そして、少量の排出者向けには、、、

千代田区のオフィス町内会版がいいか、世田谷区事業系リサイクルシステムや板橋区オフィスリサイクルシステム(古紙回収)がいいか、、江東区で効率よく集められるのは、実現可能なシステムはどういうものか、、、(−−考えるのは自由なのでじっくり構想を練ろう−−)


☆千代田区の「事業所の古紙リサイクル(エコオフィス町内会)」より抜粋
「ちよだエコ・オフィス町内会」は、区内のオフィス古紙のリサイクルに会員企業と区が共同で取り組むシステムです。ごみとして捨てていた紙を分別回収し、資源として再利用することによって紙ごみの減量と省資源化を図ります。

23区の平成23年度のごみ処理原価は56,395円/トン
中間処理の原価は21,289円/トン
一方、平成25年10月1日から事業系一般廃棄物処理手数料は改定されたが、
改定料金 36.5円/kg(改訂前 32.5円/kg)区収集分
<清掃工場への持込みは 15.5円/kg(改訂前 14.5円/kg)>





処理原価と事業系ごみの処理手数料の乖離は埋まらない
23区の手数料は多摩地域に比べてかなりやすい。もっと厳密に、受入基準を厳しくして、資源物含む焼却不適物の搬入防止措置は必要。

月刊廃棄物の「搬入手数料調査」はとても貴重な資料である。関東エリアで23区の手数料の比較をしてみる。また、近畿エリアは、安すぎるという意味での比較に。

月刊廃棄物の『全国縦断 事業系一般廃棄物搬入手数料の動向』調査
(手数料も、自治体によっては、従量制での料金設定もあり、細かく別れているところもある。詳細は月刊廃棄物本誌で確認のこと。)







関連(本ブログ)
■23区版 〜事業系古紙の資源化ルート拡充に向けて〜 現状年間100万トンの紙ごみ焼却はNG(2014年04月06日)
■23区の清掃事業年報 【リサイクル編】『平成24年度 資源回収量【確定値】』から〜(2013年09月07日)
■23区清掃一組「清掃事業年報(平成24年度)」 の公表(2013年08月30日)
■23区 平成23年度のごみ処理原価は56,395円/トン、処理経費総額は約1287億円(2013年07月27日)
■23区清掃工場「搬入物検査の実態」と「不適正搬入の指導内容」まとめ(2011年07月16日)

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参考
総務局 平成23年7月27日
平成21年経済センサス‐基礎調査報告
― 東京都分 (平成21年7月1日現在) ―

平成21年経済センサス‐基礎調査の東京都分の集計結果(確報値)がまとまりましたのでお知らせします。
「経済センサス‐基礎調査」は、すべての産業分野における事業所及び企業の活動からなる経済の構造を全国及び地域別に明らかにすること、各種統計調査実施のための基礎資料を得ることを目的として創設され、平成21年7月に第1回目の調査が実施されました。
1 概 況
○ 事業所数69万4212事業所、従業者数952万835人でともに全国第1位 (図1)
 対全国比で事業所数が11.5%、従業者数が15.1%
○ 全国の本所(本社・本店)の16.3%が東京都に集中 (図2)
 対全国比で第2位の大阪府(9.0%)を大きく引き離す
○ 「情報通信業」の従業者数は東京都が全国の49.4%を占める (図3)
 事業所数では、対全国比で32.9%



廃棄物の処理及び清掃に関する法律

(国民の責務)
第二条の三  国民は、廃棄物の排出を抑制し、再生品の使用等により廃棄物の再生利用を図り、廃棄物を分別して排出し、その生じた廃棄物をなるべく自ら処分すること等により、廃棄物の減量その他その適正な処理に関し国及び地方公共団体の施策に協力しなければならない。

(事業者の責務)
第三条  事業者は、その事業活動に伴つて生じた廃棄物を自らの責任において適正に処理しなければならない。
2  事業者は、その事業活動に伴つて生じた廃棄物の再生利用等を行うことによりその減量に努めるとともに、物の製造、加工、販売等に際して、その製品、容器等が廃棄物となつた場合における処理の困難性についてあらかじめ自ら評価し、適正な処理が困難にならないような製品、容器等の開発を行うこと、その製品、容器等に係る廃棄物の適正な処理の方法についての情報を提供すること等により、その製品、容器等が廃棄物となつた場合においてその適正な処理が困難になることのないようにしなければならない。
3  事業者は、前二項に定めるもののほか、廃棄物の減量その他その適正な処理の確保等に関し国及び地方公共団体の施策に協力しなければならない。

(国及び地方公共団体の責務)
第四条  市町村は、その区域内における一般廃棄物の減量に関し住民の自主的な活動の促進を図り、及び一般廃棄物の適正な処理に必要な措置を講ずるよう努めるとともに、一般廃棄物の処理に関する事業の実施に当たつては、職員の資質の向上、施設の整備及び作業方法の改善を図る等その能率的な運営に努めなければならない。
2  都道府県は、市町村に対し、前項の責務が十分に果たされるように必要な技術的援助を与えることに努めるとともに、当該都道府県の区域内における産業廃棄物の状況をはあくし、産業廃棄物の適正な処理が行なわれるように必要な措置を講ずることに努めなければならない。
3  国は、廃棄物に関する情報の収集、整理及び活用並びに廃棄物の処理に関する技術開発の推進を図り、並びに国内における廃棄物の適正な処理に支障が生じないよう適切な措置を講ずるとともに、市町村及び都道府県に対し、前二項の責務が十分に果たされるように必要な技術的及び財政的援助を与えること並びに広域的な見地からの調整を行うことに努めなければならない。
4  国、都道府県及び市町村は、廃棄物の排出を抑制し、及びその適正な処理を確保するため、これらに関する国民及び事業者の意識の啓発を図るよう努めなければならない。





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