■ごみ有料化 条例改正案取り下げ 鎌倉市長表明
東京新聞-2014/03/21
鎌倉市の松尾崇市長は二十日の市議会予算委員会で、提案していたごみ収集の有料化を今年十月から導入することを盛り込んだ条例改正案を取り下げると表明した。委員から条例案の内容に法的な不備があるとの指摘を受けた措置だが、撤回で有料化導入の見通しが不透明になった。
条例改正案は、ごみ減量を目的に有料化する、家庭系一般廃棄物の対象や手数料を定めるとした「規則」が明記されていなかったことが問題となった。
委員側から「有料の収集袋で出すごみの種類も決まっていないのでは議論ができない」「規則は市長の裁量で変えられる。その規則が明記されていないのは、規則内容の白紙委任になる」と批判が続出。法的見解を求めた市の顧問弁護士からも地方自治法の条例主義に反する可能性があるとの見解が示され、撤回となった。
鎌倉市は当初、ごみ減量化を目的に今年七月から、家庭から出るごみの有料化と戸別収集をセットで導入する計画を打ち出した。
ところが、松尾市長が二〇二五年度以降に稼働させる新たな焼却施設の建設計画で、現在より焼却量が増える可能性が強く、焼却熱を発電などで回収するサーマルリサイクル導入の検討を諮問。議会側が有料化と戸別収集によるごみ減量は矛盾すると反発し、市はこの条例改正案の提出を見送っていた。
今回は、市民の協力を得やすいとして、戸別収集を切り離した有料化を先行させる条例改正案を提出。だが、資源ごみの製品プラスチックを、有料化で可燃ごみに加えるのかといった疑問に明確に回答できず、矛盾が解消されていないことが浮き彫りになった。
松尾市長は「市民が混乱しないよう新年度のしかるべき時期に再提出したい」とコメントしたが、導入には曲折がありそうだ。 (斎藤裕仁)
東京新聞-2014/03/21
鎌倉市の松尾崇市長は二十日の市議会予算委員会で、提案していたごみ収集の有料化を今年十月から導入することを盛り込んだ条例改正案を取り下げると表明した。委員から条例案の内容に法的な不備があるとの指摘を受けた措置だが、撤回で有料化導入の見通しが不透明になった。
条例改正案は、ごみ減量を目的に有料化する、家庭系一般廃棄物の対象や手数料を定めるとした「規則」が明記されていなかったことが問題となった。
委員側から「有料の収集袋で出すごみの種類も決まっていないのでは議論ができない」「規則は市長の裁量で変えられる。その規則が明記されていないのは、規則内容の白紙委任になる」と批判が続出。法的見解を求めた市の顧問弁護士からも地方自治法の条例主義に反する可能性があるとの見解が示され、撤回となった。
鎌倉市は当初、ごみ減量化を目的に今年七月から、家庭から出るごみの有料化と戸別収集をセットで導入する計画を打ち出した。
ところが、松尾市長が二〇二五年度以降に稼働させる新たな焼却施設の建設計画で、現在より焼却量が増える可能性が強く、焼却熱を発電などで回収するサーマルリサイクル導入の検討を諮問。議会側が有料化と戸別収集によるごみ減量は矛盾すると反発し、市はこの条例改正案の提出を見送っていた。
今回は、市民の協力を得やすいとして、戸別収集を切り離した有料化を先行させる条例改正案を提出。だが、資源ごみの製品プラスチックを、有料化で可燃ごみに加えるのかといった疑問に明確に回答できず、矛盾が解消されていないことが浮き彫りになった。
松尾市長は「市民が混乱しないよう新年度のしかるべき時期に再提出したい」とコメントしたが、導入には曲折がありそうだ。 (斎藤裕仁)