※グラフは「廃棄物焼却施設の排ガス中のダイオキシン類濃度等について」より
ダイオキシン類の削減を強調するあまりの縦軸、
それと同時に過去のダイオキシン類放出の異常さを再認識しよう〜
環境省 平成26年3月20日
■廃棄物焼却施設の排ガス中のダイオキシン類濃度等について(お知らせ)
平成24年4月1日から平成25年3月31日までの1年間の全国の廃棄物焼却施設(一般廃棄物焼却施設と産業廃棄物焼却施設)における排ガス中のダイオキシン類濃度の測定結果等について調査し、その結果を取りまとめたので公表します。
この1年間に全国の廃棄物焼却施設から排出されたダイオキシン類総量の推計は、約57g-TEQ/年であり、その内訳は、一般廃棄物焼却施設からのものが約31g-TEQ/年(前年比約1g-TEQ/年 減少)、産業廃棄物焼却施設からのものが約26 g-TEQ/年(前年比約1g-TEQ/年 減少)でした。
これは、昨年の排出量約57g-TEQ/年から約3%の削減であり、ダイオキシン類対策特別措置法(平成11年法律第105号)第33条第1項の規定に基づく「我が国における事業活動に伴い排出されるダイオキシン類の量を削減するための計画」(平成24年8月変更)では、当面の間、廃棄物焼却施設からの排ガス中のダイオキシン類排出量を、一般廃棄物においては33g-TEQ/年、産業廃棄物においては35g-TEQ/年を目標としていますが、平成24年度の実績では目標を達成しています。
添付資料
(別添)廃棄物処理施設からのダイオキシン類排出量の推移[PDF 310KB]
(抜粋)
廃棄物処理施設からのダイオキシン類排出量の推移
1 一般廃棄物焼却施設の排ガス中のダイオキシン類濃度等について
(1)一般廃棄物焼却施設の排ガス中のダイオキシン類濃度
? ダイオキシン類の排出基準への対応状況
市町村及び事業者が設置する一般廃棄物焼却施設の排出基準への対応状況は次のとおりである。
ア.市町村の設置する一般廃棄物焼却施設
平成24 年4 月1 日から平成25 年3 月31 日の調査対象期間に排ガス中のダイオキシン類濃度の測定を行った2,089 炉のうち、排出基準を超過したのは3 炉であった。
イ.事業者の設置する一般廃棄物焼却施設
平成24 年4 月1 日から平成25 年3 月31 日の調査対象期間に排ガス中のダイオキシン類濃度の測定を行った54 炉は、全て排出基準に適合していた。
(2)一般廃棄物焼却施設の休止及び廃止の状況
平成24 年4 月2 日から平成25 年3 月31 日までの1 年間において、市町村の設置する一般廃棄物焼却施設では23 炉が廃止された。平成24 年4 月1 日以降に休止し、平成25 年3 月31 日現在でも休止中の炉は22 炉である。一方、平成25 年3 月31 日現在で、稼働中の炉は2,107 炉である(別図−3参照)。
また、事業者の設置する一般廃棄物焼却施設では2 炉が廃止された。平成24 年4 月1 日以降に休止し平成25 年3 月31 日現在でも休止中の炉は1 炉である。一方、平成25 年3 月31 日現在、稼働中の炉は52 炉である(別図−4参照)。
(3)一般廃棄物焼却施設からのダイオキシン類の総排出量の推計
個々の焼却施設の年間焼却量、ごみ1t あたりの乾きガス量及び排ガス中のダイオキシン類濃度の測定結果を用いて、一般廃棄物焼却施設から排出されるダイオキシン類の総排出量の推計を行った。
平成24 年4 月1 日から平成25 年3 月31 日までの1 年間における一般廃棄物焼却施設からのダイオキシン類の総排出量は約31gと推計され、前年の約32gから約1g減少した。(別図-5参照)
これを施設の設置者別に見ると、市町村が設置する施設からの排出量は約31g、事業者が設置する施設からの排出量は約0.2gと推計された。
2 産業廃棄物焼却施設の排ガス中のダイオキシン類濃度等について
(1)産業廃棄物焼却施設の排ガス中のダイオキシン類濃度
平成25 年4 月1 日時点で稼動中の産業廃棄物焼却施設1,398 炉(1,280 施設注))のうち、測定結果が得られた1,341 炉の排ガス中のダイオキシン類濃度分布を別図−1に、産業廃棄物焼却施設の種類ごとのダイオキシン類濃度を別図−2に、また、都道府県・政令市別ダイオキシン類濃度分布データを別表−1に示す。
これらのうち、稼働中施設の焼却炉の処理能力に応じた排出基準への適合状況を表1に示す。
排ガス中のダイオキシン類濃度の基準と比較したところ約99%の炉が適合していた。
また、休止・廃止施設も含めると、排出基準値1〜10ng-TEQ/m3N(既設)、0.1〜5ng-TEQ/m3N(新設)を超えた炉は23 炉あった。これらの炉での対応状況及び現状について表2に示す。
注)平成24 年度に稼働実績のある炉のうち、調査期間中排ガス中のダイオキシン類濃度の測定値が排出基準を1 回でも超過した炉を対象としている。(H25.4.1 現在で休止中:2 炉、廃止1 炉を含む。)
(2)産業廃棄物焼却施設の休・廃止状況
産業廃棄物焼却施設は平成9 年12 月1 日現在5,757 施設あったが、その後、平成25 年3 月31日までの15 年4 ヶ月の間に延べ4,739 施設が廃止となり、稼働中と休止中を合わせた供用中の焼却施設は、平成9 年比73%減の1,530 施設となった。
なお、前回の調査では、平成23 年4 月1 日から平成24 年3 月31 日までの1年間に、全1,743施設のうち約23%に当たる403 施設が休・廃止していた。
また、今回の調査では、平成24 年4 月1 日から平成25 年3 月31 日までの1年間に、全1,607施設のうち、83 施設が廃止され、これに休止中の250 施設を含めると、約21%にあたる333 施設が休・廃止していたという結果が得られ、平成25 年4 月1 日現在の稼動施設数は1,530 施設であった(表3参照)。なお、都道府県・政令市別のデータは別表−2のとおりである。
(3)産業廃棄物焼却施設からのダイオキシン類の総排出量の推計
産業廃棄物焼却施設における年間焼却量、排ガス中のダイオキシン類濃度等を基に、産業廃棄物焼却施設からのダイオキシン類の総排出量の推計を行った。
推計に当たっては、年間焼却量、排ガス量原単位及び排ガス中のダイオキシン類濃度を掛け合わせたものを全施設について合算した。年間焼却量や排ガス中のダイオキシン類濃度が不明であった施設については、今回の調査で得られた平成24 年4 月1日から平成25 年3 月31 日までのデータを基に処理能力及び稼働・休止・廃止の別に年間焼却量及び排ガス中のダイオキシン類濃度の平均値を算出し、これを推計値として代入した。
その結果、平成24 年4 月1 日から平成25 年3 月31 日までの1年間の全国の産業廃棄物焼却施設(調査対象1,613 施設)からのダイオキシン類の総排出量は、前回の調査結果の約27 グラムから約1 グラム減少し、約26 グラムとの推計結果が得られた。
なお、推計年間焼却量は約2,292 万トンであった。参考までに、前回の調査における推計年間焼却量は約2,309 万トン、前々回調査における推計年間焼却量は約2,316 万トンであった。
ダイオキシン類の削減を強調するあまりの縦軸、
それと同時に過去のダイオキシン類放出の異常さを再認識しよう〜
環境省 平成26年3月20日
■廃棄物焼却施設の排ガス中のダイオキシン類濃度等について(お知らせ)
平成24年4月1日から平成25年3月31日までの1年間の全国の廃棄物焼却施設(一般廃棄物焼却施設と産業廃棄物焼却施設)における排ガス中のダイオキシン類濃度の測定結果等について調査し、その結果を取りまとめたので公表します。
この1年間に全国の廃棄物焼却施設から排出されたダイオキシン類総量の推計は、約57g-TEQ/年であり、その内訳は、一般廃棄物焼却施設からのものが約31g-TEQ/年(前年比約1g-TEQ/年 減少)、産業廃棄物焼却施設からのものが約26 g-TEQ/年(前年比約1g-TEQ/年 減少)でした。
これは、昨年の排出量約57g-TEQ/年から約3%の削減であり、ダイオキシン類対策特別措置法(平成11年法律第105号)第33条第1項の規定に基づく「我が国における事業活動に伴い排出されるダイオキシン類の量を削減するための計画」(平成24年8月変更)では、当面の間、廃棄物焼却施設からの排ガス中のダイオキシン類排出量を、一般廃棄物においては33g-TEQ/年、産業廃棄物においては35g-TEQ/年を目標としていますが、平成24年度の実績では目標を達成しています。
添付資料
(別添)廃棄物処理施設からのダイオキシン類排出量の推移[PDF 310KB]
(抜粋)
廃棄物処理施設からのダイオキシン類排出量の推移
1 一般廃棄物焼却施設の排ガス中のダイオキシン類濃度等について
(1)一般廃棄物焼却施設の排ガス中のダイオキシン類濃度
? ダイオキシン類の排出基準への対応状況
市町村及び事業者が設置する一般廃棄物焼却施設の排出基準への対応状況は次のとおりである。
ア.市町村の設置する一般廃棄物焼却施設
平成24 年4 月1 日から平成25 年3 月31 日の調査対象期間に排ガス中のダイオキシン類濃度の測定を行った2,089 炉のうち、排出基準を超過したのは3 炉であった。
イ.事業者の設置する一般廃棄物焼却施設
平成24 年4 月1 日から平成25 年3 月31 日の調査対象期間に排ガス中のダイオキシン類濃度の測定を行った54 炉は、全て排出基準に適合していた。
(2)一般廃棄物焼却施設の休止及び廃止の状況
平成24 年4 月2 日から平成25 年3 月31 日までの1 年間において、市町村の設置する一般廃棄物焼却施設では23 炉が廃止された。平成24 年4 月1 日以降に休止し、平成25 年3 月31 日現在でも休止中の炉は22 炉である。一方、平成25 年3 月31 日現在で、稼働中の炉は2,107 炉である(別図−3参照)。
また、事業者の設置する一般廃棄物焼却施設では2 炉が廃止された。平成24 年4 月1 日以降に休止し平成25 年3 月31 日現在でも休止中の炉は1 炉である。一方、平成25 年3 月31 日現在、稼働中の炉は52 炉である(別図−4参照)。
(3)一般廃棄物焼却施設からのダイオキシン類の総排出量の推計
個々の焼却施設の年間焼却量、ごみ1t あたりの乾きガス量及び排ガス中のダイオキシン類濃度の測定結果を用いて、一般廃棄物焼却施設から排出されるダイオキシン類の総排出量の推計を行った。
平成24 年4 月1 日から平成25 年3 月31 日までの1 年間における一般廃棄物焼却施設からのダイオキシン類の総排出量は約31gと推計され、前年の約32gから約1g減少した。(別図-5参照)
これを施設の設置者別に見ると、市町村が設置する施設からの排出量は約31g、事業者が設置する施設からの排出量は約0.2gと推計された。
2 産業廃棄物焼却施設の排ガス中のダイオキシン類濃度等について
(1)産業廃棄物焼却施設の排ガス中のダイオキシン類濃度
平成25 年4 月1 日時点で稼動中の産業廃棄物焼却施設1,398 炉(1,280 施設注))のうち、測定結果が得られた1,341 炉の排ガス中のダイオキシン類濃度分布を別図−1に、産業廃棄物焼却施設の種類ごとのダイオキシン類濃度を別図−2に、また、都道府県・政令市別ダイオキシン類濃度分布データを別表−1に示す。
これらのうち、稼働中施設の焼却炉の処理能力に応じた排出基準への適合状況を表1に示す。
排ガス中のダイオキシン類濃度の基準と比較したところ約99%の炉が適合していた。
また、休止・廃止施設も含めると、排出基準値1〜10ng-TEQ/m3N(既設)、0.1〜5ng-TEQ/m3N(新設)を超えた炉は23 炉あった。これらの炉での対応状況及び現状について表2に示す。
注)平成24 年度に稼働実績のある炉のうち、調査期間中排ガス中のダイオキシン類濃度の測定値が排出基準を1 回でも超過した炉を対象としている。(H25.4.1 現在で休止中:2 炉、廃止1 炉を含む。)
(2)産業廃棄物焼却施設の休・廃止状況
産業廃棄物焼却施設は平成9 年12 月1 日現在5,757 施設あったが、その後、平成25 年3 月31日までの15 年4 ヶ月の間に延べ4,739 施設が廃止となり、稼働中と休止中を合わせた供用中の焼却施設は、平成9 年比73%減の1,530 施設となった。
なお、前回の調査では、平成23 年4 月1 日から平成24 年3 月31 日までの1年間に、全1,743施設のうち約23%に当たる403 施設が休・廃止していた。
また、今回の調査では、平成24 年4 月1 日から平成25 年3 月31 日までの1年間に、全1,607施設のうち、83 施設が廃止され、これに休止中の250 施設を含めると、約21%にあたる333 施設が休・廃止していたという結果が得られ、平成25 年4 月1 日現在の稼動施設数は1,530 施設であった(表3参照)。なお、都道府県・政令市別のデータは別表−2のとおりである。
(3)産業廃棄物焼却施設からのダイオキシン類の総排出量の推計
産業廃棄物焼却施設における年間焼却量、排ガス中のダイオキシン類濃度等を基に、産業廃棄物焼却施設からのダイオキシン類の総排出量の推計を行った。
推計に当たっては、年間焼却量、排ガス量原単位及び排ガス中のダイオキシン類濃度を掛け合わせたものを全施設について合算した。年間焼却量や排ガス中のダイオキシン類濃度が不明であった施設については、今回の調査で得られた平成24 年4 月1日から平成25 年3 月31 日までのデータを基に処理能力及び稼働・休止・廃止の別に年間焼却量及び排ガス中のダイオキシン類濃度の平均値を算出し、これを推計値として代入した。
その結果、平成24 年4 月1 日から平成25 年3 月31 日までの1年間の全国の産業廃棄物焼却施設(調査対象1,613 施設)からのダイオキシン類の総排出量は、前回の調査結果の約27 グラムから約1 グラム減少し、約26 グラムとの推計結果が得られた。
なお、推計年間焼却量は約2,292 万トンであった。参考までに、前回の調査における推計年間焼却量は約2,309 万トン、前々回調査における推計年間焼却量は約2,316 万トンであった。