※グラフは東京二十三区清掃一部事務組合「清掃工場別の処理単価(平成24年度決算)」より作成
有明清掃工場は管路収集のため割高コストとなっている。とはいえ、管路収集分は未だに搬入ごみの4%弱である。渋谷、光が丘、多摩川清掃工場は小規模工場である。世田谷清掃工場は、23区唯一のガス化溶融炉で処理単価18,239円/トン(前年は24,551円/トン)となった。なにが改善されたのか?! 池袋、渋谷清掃工場は流動床炉、その他の工場はストーカ炉。
「清掃工場別の処理単価(平成24年度決算)」が公表された〜
東京二十三区清掃一部事務組合HPより
■清掃工場別の処理単価(平成24年度決算)(PDF:113KB)
例年通り、数字だけみてもよくわからないので、いろいろグラフで比較してみた。故障やトラブルによる焼却炉停止が少なく、順調に処理が可能な施設ほど処理単価は低くなっている。そして、福島原発事故以降、灰溶融施設は、電力逼迫に対処するため夏季の操業休止、主灰単独溶融、複数炉施設は1炉稼働と、溶融処理量は減少した(もともと順調に操業していた施設は極僅か)。故に、当然の如く、灰溶融施設の処理単価は、シンジラレナイほどの割高単価(平成23年度は88,016円/トン〜964,427円/トン)となってしまった。それでも、平成24年度は少しは溶融量も増えて、処理単価も多少は改善された。
◆灰溶融施設別の処理単価と溶融量(平成24年度)
◆清掃工場別の処理経費内訳(平成24年度)
大規模施設は処理単価としては効率はいいのだろうが、新江東清掃工場の人件費+物件費計は2,961,930千円
◆清掃工場別の処理経費内訳(平成24年度)清掃工場のみ
◆灰溶融施設別の処理経費内訳(平成24年度)
◆清掃工場別の処理経費とごみ処理量(平成24年度)
◆溶融施設別の処理経費と溶融量(平成24年度)
◆灰溶融施設 処理量月別実績
人件費は直営職員のみで、委託などの費用は、物件費に含まれる。
◆清掃工場別の処理経費(平成24年度決算)
平成24年度、清掃工場(焼却炉)の運転管理等の業務委託は建替え中を除くと8工場となっている。建替え工事中の大田第二、練馬、杉並も運転管理は委託の工場。(清掃一組は平成32年度までにおおむね15清掃工場の委託化を予定)灰溶融炉の運転管理はすべて委託である。技術面、経費面からみて、直営がいいのか、委託がいいのかはわからないが、経費面も長期でみないとさほど効果は現れていない。逆に、見た目は、直営+委託職員経費で割高のようにもみえる。また、委託と直営でのトラブルや維持管理などの対応も比較したいが、故障週報だけでは、実際の現場のことはほとんどみえてこない。アウトソーシングを進めるには、そういった安全面の分析評価は必要不可欠におもう。(直営職員の人件費については退職手当等は含まれていない。)
◆清掃工場別の人件費比較(平成24年度決算)
清掃工場で発電して、灰溶融施設でせっせと電力の消費、金食い虫の中防灰溶融はほとんど動かなくとも、それでも光熱費は約7億8千万円。
◆清掃工場別光熱水費(平成24年度)
================================================================
◆清掃工場別処理単価の推移(平成17年度〜平成24年度)
平成23年度、平成24年度と、驚異的処理単価、できたスラグは超高価な埋立材として新海面に、一部は土木資材として有効利用?!
◆灰溶融施設別処理単価の推移(平成17年度〜平成24年度)
◆清掃工場別薬剤購入費推移(平成17年度〜平成24年度)
港は、予備炉廃止で3炉稼働となって、焼却量の増加で薬剤費も増加なのか?!
◆清掃工場別定期点検補修・整備工事費推移(平成17年度〜平成24年度)
平成24年度、江戸川、北、新江東、渋谷、板橋、足立と、軒並み前年度より1億円以上の増額。経年劣化による補修費の高騰?!
◆ごみ焼却量・灰溶融量の推移
◆溶融施設別 灰溶融量の推移
◆清掃工場の処理経費内訳推移(平成17年度〜平成24年度)
◆清掃工場等経費の合計推移(単位:千円) 《清掃工場+溶融施設》
こうしてみても、各年により、建替え工場等もあるので単純な比較はできないのだが〜
参考
☆東京二十三区清掃一部事務組合「ごみれぽ23 2014」ダウンロード(PDF:14,269KB)より
【灰溶融の処理形式】
板橋:平14.11竣工 住友重工電気式交流アーク式 (180トン/日)
多摩川:平15.6竣工 クボタ燃料式表面溶融式(回転型)(30トン/日)
足立:平17.3竣工 荏原電気式プラズマ式・トーチ(130トン/日)
品川:平18.3竣工 日立造船燃料式表面溶融式(固定型)(180トン/日)
葛飾:平18.12竣工 タクマ電気式プラズマ式・黒鉛電極(110トン/日)
中防灰溶融:平18.12竣工 三菱重工電気式プラズマ式・黒鉛電極(400トン/日)
世田谷:平20.3竣工 カワサキ電気式プラズマ式・トーチ(120トン/日)
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清掃工場別の処理単価(平成24年度決算)
注釈↓↓
◎清掃工場別の経費の算出について
【人件費】
平成24年度の組織別の給与支給実績等により計上しています(退職手当及び社会保険料本人負担分は除く)
同一組織において複数の施設を所管している場合は、係別の配分定数等を参考に按分しています(職員数も同様に按分)
【物件費】
ごみ焼却作業及び埋立処分委託について、平成24年度の各清掃工場における執行実績により計上しています。
同一清掃工場において複数の施設を併設している場合、共有部分など、経費を正確に算出することが困難なため、按分計算などにより算出しているものがあります。
例えば、電気料金については、支出額を焼却施設と灰溶融施設の消費電力量で按分しています。
残灰等埋立処分委託の経費には、排水処理経費(固定費)分を清掃工場とそれ以外の施設の埋立処分量に応じて按分した上で合算しています。
指定廃棄物の保管に係る経費(8,806千円)については、同額が国庫委託金で補てんされているため、工場別処理単価の計算から除いています。
【溶融量】
灰溶融の溶融量は、灰溶融炉に投入した灰及び塩基度調整剤の量です。
【その他】
有明清掃工場には、管路収集作業の経費が含まれています。
練馬及び杉並清掃工場は、建替工事中です。
表内の各計数は、それぞれを四捨五入により算出しているため、合計額が一致しない場合があります。
◎本表に含まれていない経費
1 減価償却費(建物や工作物について、耐用年数に応じて価値が減少したと認められる費用)
2 組合債償還利子(工場建設などのために借り入れた組合債の利子)
3 本庁管理経費(本庁組織の管理運営経費)
4 施設整備費(工場の建設などに要する経費)
5 歳入(エネルギー売払収入、合築施設からの光熱水費分担収入など)
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参考
ごみは減れども処理原価は高値安定気味から、上昇傾向ではあったが、平成21年度のトンあたり6万円台突破から、徐々に下がってはきているが〜
◆ごみ処理量とごみ処理原価の推移
※ごみ処理原価は収集・運搬・処理・処分にかかる経費
※「23区清掃とリサイクル」「ごみれぽ」等より作成
◆ごみ処理量と1人1日あたりのごみ排出量
※一人が一日にだすごみの量:ごみ排出量を人口で割ったもの。ごみ排出量は事業系ごみを含む。人口は住民基本台帳(外国人登録を含む)
※「23区清掃とリサイクル」「ごみれぽ」等より作成
関連(本ブログより)
■23区 「清掃工場等作業年報(平成24年度) 」の公表。稼働実績、故障件数、電力使用量、CO2排出量など〜(2013年10月10日)
■23区清掃一組「清掃事業年報(平成24年度)」 の公表(2013年08月30日)
■23区の清掃事業年報 【リサイクル編】 『平成24年度 資源回収量【確定値】』から〜(2013年09月07日)
有明清掃工場は管路収集のため割高コストとなっている。とはいえ、管路収集分は未だに搬入ごみの4%弱である。渋谷、光が丘、多摩川清掃工場は小規模工場である。世田谷清掃工場は、23区唯一のガス化溶融炉で処理単価18,239円/トン(前年は24,551円/トン)となった。なにが改善されたのか?! 池袋、渋谷清掃工場は流動床炉、その他の工場はストーカ炉。
「清掃工場別の処理単価(平成24年度決算)」が公表された〜
東京二十三区清掃一部事務組合HPより
■清掃工場別の処理単価(平成24年度決算)(PDF:113KB)
例年通り、数字だけみてもよくわからないので、いろいろグラフで比較してみた。故障やトラブルによる焼却炉停止が少なく、順調に処理が可能な施設ほど処理単価は低くなっている。そして、福島原発事故以降、灰溶融施設は、電力逼迫に対処するため夏季の操業休止、主灰単独溶融、複数炉施設は1炉稼働と、溶融処理量は減少した(もともと順調に操業していた施設は極僅か)。故に、当然の如く、灰溶融施設の処理単価は、シンジラレナイほどの割高単価(平成23年度は88,016円/トン〜964,427円/トン)となってしまった。それでも、平成24年度は少しは溶融量も増えて、処理単価も多少は改善された。
◆灰溶融施設別の処理単価と溶融量(平成24年度)
◆清掃工場別の処理経費内訳(平成24年度)
大規模施設は処理単価としては効率はいいのだろうが、新江東清掃工場の人件費+物件費計は2,961,930千円
◆清掃工場別の処理経費内訳(平成24年度)清掃工場のみ
◆灰溶融施設別の処理経費内訳(平成24年度)
◆清掃工場別の処理経費とごみ処理量(平成24年度)
◆溶融施設別の処理経費と溶融量(平成24年度)
◆灰溶融施設 処理量月別実績
人件費は直営職員のみで、委託などの費用は、物件費に含まれる。
◆清掃工場別の処理経費(平成24年度決算)
平成24年度、清掃工場(焼却炉)の運転管理等の業務委託は建替え中を除くと8工場となっている。建替え工事中の大田第二、練馬、杉並も運転管理は委託の工場。(清掃一組は平成32年度までにおおむね15清掃工場の委託化を予定)灰溶融炉の運転管理はすべて委託である。技術面、経費面からみて、直営がいいのか、委託がいいのかはわからないが、経費面も長期でみないとさほど効果は現れていない。逆に、見た目は、直営+委託職員経費で割高のようにもみえる。また、委託と直営でのトラブルや維持管理などの対応も比較したいが、故障週報だけでは、実際の現場のことはほとんどみえてこない。アウトソーシングを進めるには、そういった安全面の分析評価は必要不可欠におもう。(直営職員の人件費については退職手当等は含まれていない。)
◆清掃工場別の人件費比較(平成24年度決算)
清掃工場で発電して、灰溶融施設でせっせと電力の消費、金食い虫の中防灰溶融はほとんど動かなくとも、それでも光熱費は約7億8千万円。
◆清掃工場別光熱水費(平成24年度)
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◆清掃工場別処理単価の推移(平成17年度〜平成24年度)
平成23年度、平成24年度と、驚異的処理単価、できたスラグは超高価な埋立材として新海面に、一部は土木資材として有効利用?!
◆灰溶融施設別処理単価の推移(平成17年度〜平成24年度)
◆清掃工場別薬剤購入費推移(平成17年度〜平成24年度)
港は、予備炉廃止で3炉稼働となって、焼却量の増加で薬剤費も増加なのか?!
◆清掃工場別定期点検補修・整備工事費推移(平成17年度〜平成24年度)
平成24年度、江戸川、北、新江東、渋谷、板橋、足立と、軒並み前年度より1億円以上の増額。経年劣化による補修費の高騰?!
◆ごみ焼却量・灰溶融量の推移
◆溶融施設別 灰溶融量の推移
◆清掃工場の処理経費内訳推移(平成17年度〜平成24年度)
◆清掃工場等経費の合計推移(単位:千円) 《清掃工場+溶融施設》
こうしてみても、各年により、建替え工場等もあるので単純な比較はできないのだが〜
参考
☆東京二十三区清掃一部事務組合「ごみれぽ23 2014」ダウンロード(PDF:14,269KB)より
【灰溶融の処理形式】
板橋:平14.11竣工 住友重工電気式交流アーク式 (180トン/日)
多摩川:平15.6竣工 クボタ燃料式表面溶融式(回転型)(30トン/日)
足立:平17.3竣工 荏原電気式プラズマ式・トーチ(130トン/日)
品川:平18.3竣工 日立造船燃料式表面溶融式(固定型)(180トン/日)
葛飾:平18.12竣工 タクマ電気式プラズマ式・黒鉛電極(110トン/日)
中防灰溶融:平18.12竣工 三菱重工電気式プラズマ式・黒鉛電極(400トン/日)
世田谷:平20.3竣工 カワサキ電気式プラズマ式・トーチ(120トン/日)
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清掃工場別の処理単価(平成24年度決算)
注釈↓↓
◎清掃工場別の経費の算出について
【人件費】
平成24年度の組織別の給与支給実績等により計上しています(退職手当及び社会保険料本人負担分は除く)
同一組織において複数の施設を所管している場合は、係別の配分定数等を参考に按分しています(職員数も同様に按分)
【物件費】
ごみ焼却作業及び埋立処分委託について、平成24年度の各清掃工場における執行実績により計上しています。
同一清掃工場において複数の施設を併設している場合、共有部分など、経費を正確に算出することが困難なため、按分計算などにより算出しているものがあります。
例えば、電気料金については、支出額を焼却施設と灰溶融施設の消費電力量で按分しています。
残灰等埋立処分委託の経費には、排水処理経費(固定費)分を清掃工場とそれ以外の施設の埋立処分量に応じて按分した上で合算しています。
指定廃棄物の保管に係る経費(8,806千円)については、同額が国庫委託金で補てんされているため、工場別処理単価の計算から除いています。
【溶融量】
灰溶融の溶融量は、灰溶融炉に投入した灰及び塩基度調整剤の量です。
【その他】
有明清掃工場には、管路収集作業の経費が含まれています。
練馬及び杉並清掃工場は、建替工事中です。
表内の各計数は、それぞれを四捨五入により算出しているため、合計額が一致しない場合があります。
◎本表に含まれていない経費
1 減価償却費(建物や工作物について、耐用年数に応じて価値が減少したと認められる費用)
2 組合債償還利子(工場建設などのために借り入れた組合債の利子)
3 本庁管理経費(本庁組織の管理運営経費)
4 施設整備費(工場の建設などに要する経費)
5 歳入(エネルギー売払収入、合築施設からの光熱水費分担収入など)
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参考
ごみは減れども処理原価は高値安定気味から、上昇傾向ではあったが、平成21年度のトンあたり6万円台突破から、徐々に下がってはきているが〜
◆ごみ処理量とごみ処理原価の推移
※ごみ処理原価は収集・運搬・処理・処分にかかる経費
※「23区清掃とリサイクル」「ごみれぽ」等より作成
◆ごみ処理量と1人1日あたりのごみ排出量
※一人が一日にだすごみの量:ごみ排出量を人口で割ったもの。ごみ排出量は事業系ごみを含む。人口は住民基本台帳(外国人登録を含む)
※「23区清掃とリサイクル」「ごみれぽ」等より作成
関連(本ブログより)
■23区 「清掃工場等作業年報(平成24年度) 」の公表。稼働実績、故障件数、電力使用量、CO2排出量など〜(2013年10月10日)
■23区清掃一組「清掃事業年報(平成24年度)」 の公表(2013年08月30日)
■23区の清掃事業年報 【リサイクル編】 『平成24年度 資源回収量【確定値】』から〜(2013年09月07日)